豚舎汚水を簡易ばっ気処理して、液肥を製造している事例を紹介します。なお、この施設は、このサポートシステムにて推奨する施設設計(沈殿槽あり、沈殿槽なし)よりも効率が悪い構造になっているため、ばっ気槽での泡の発生が多く、処理性能が不安定です。

この施設は、第1ばっ気槽から第2貯留槽まで、地上に設置したコンクリート製の槽です。汚水ピットは地下なので、ここからエアリフトポンプで間欠的に第1ばっ気槽に汚水を投入しています。
ここはスノコ式の豚舎で、ふんの多くが汚水に混ざっており、BODが6,000ppm前後の高濃度の汚水になっています。途中から、固液分離していない豚舎のスラリーも投入しており、BODが10,000ppmを超える時期もありました。

第1ばっ気槽でBODが大きく低下します。

ばっ気槽では、SSの減少は少ないです。貯留槽で沈殿して減少していますが、農地に還元する場合は、SSは問題にならないので、なるべくかく拌してから、農地還元するようにするべきです。

アンモニア濃度は、ばっ気に従って低下します。速効性の窒素肥料として利用したいのであれば、第一ばっ気槽程度までのばっ気で十分です。ばっ気槽の水温や汚水の投入状況によって、処理水のアンモニア濃度が大きく変化するので、成分分析をして、施肥してください。日常管理には、簡易測定紙アクアチェックやパックテストが便利です。

窒素の一部が亜硝酸になっていることがあります。施肥すれば速やかに硝酸に変わるので、特に問題ありません。しかし、亜硝酸の多い水を家畜が飲むと死亡することがあるので注意を要します(鈴木文雄ら「一養豚場における肥育豚の硝酸塩中毒の発生例 」、獣医疫学雑誌 、6巻1号、p. 25-28、2002年) 。成分分析をして、施肥してください。日常管理には、簡易測定紙アクアチェックやパックテストが便利です。

硝酸はほとんどできません。

リン酸は600ppm前後の濃度になります。成分分析をして、施肥してください。日常管理には、簡易測定紙アクアチェックやパックテストが便利です。

カリウム濃度はほとんど変化しません。飼育頭数や餌が変わると、変化することがあるので、このような時は、成分分析をしてから、施肥してください。

pHは、長いばっ気をすれば、中性付近になります。

簡易ばっ気することで、大腸菌群数が減少します。サルモネラや病原性大腸菌O157なども減少していると考えられます。ふん尿量が少ない時ならば、第一ばっ気のみで、多いときならば第3ばっ気まで処理すれば、安全性の高い液肥になります。
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