これからの畜産環境対策−農家汚水のリン、pH、マグネシウムの調査結果とMAP技術の可能性

番号 10364
著者名 坂井隆宏
所属 佐賀県畜産試験場
発行年 2008
雑誌名 養豚の友
469
32−37
要約 養豚農家15戸を対象に、豚舎汚水のpH、水溶性リン、水溶性窒素、水溶性マグネシウムの濃度を調べ、リン除去技術であるMAP(リン酸マグネシウムアンモニウム)法の適用について検討した。この方法は汚水のpHを8以上にするとリン酸が水に溶けにくいMAPの結晶になる反応を利用したものである。調査の結果、pHは平均7.94で最大9.65、最小6.83となり、農家によってばらつきがみられた。pHの低い場合には曝気することによりpHが高まり、MAPの結晶化が促進された。MAP反応では、リン酸とマグネシウムの比率が1対1であることが望ましいが、養豚の汚水は一般にマグネシウム濃度が低い。そのためマグネシウムの添加が有効で、曝気とマグネシウムの添加を組み合わせた場合には水溶性リン酸の除去率は85.4%と高くなった。養豚の現場では、マグネシウム源として、にがり液や融雪材用の塩化マグネシウム粒剤の利用が可能であるとしている。
要約者 古谷 修
掲載日 2008.05

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