発芽率で腐熟度を判断する方法

 発芽率は堆肥の腐熟度の判定によく使われている方法です。未熟の堆肥には植物の生育(発芽)を阻害する物質が含まれることがあり、その場合には、発芽率が低くなるというのがこの原理です。

 堆肥と水をよく混合してから液分をろ過し、ガーゼなどを敷いたシャーレに入れます。ここに小松菜などの種を50〜100個ほどばらまき、数日後の発芽状況を調べます。種全体のうちの発芽した割合を%で表したのが発芽率です。なお、使用している種は、全て発芽することを前提にした方法なので、注意が必要です。全てが発芽しないような種を使う場合は、堆肥のろ液の代わりに水を入れたシャ−レに同じ数の種をまいたものも同時に発芽させ、水で発芽した数に対する堆肥ろ液で発芽した数の割合を%で表した「発芽指数」を使います。

発芽率(%)=発芽した数÷まいた種の数×100
発芽指数(%)=堆肥ろ液で発芽した数÷水で発芽した数×100

 発芽率は、発芽障害の有無を直接的に判断できる、使用している作物の種で判断できるといった点が優れています。しかし、若干手間がかかります。また、発芽率は、鶏ふんでは比較的敏感に反応しますが、牛ふんでは、生に近いふんでも90%を越えることがあり、腐熟度を判断する上では、必ずしも絶対的な指標とはいえません。



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