廃材チップを副資材として利用した例

 北海道畜産試験場が行った試験では、細かい廃材チップ(平均粒径2.1mm)は、水分16.2%、容積重0.18kg/Lと質が良く、乳牛ふんの堆肥化で、オガクズよりも温度の立ち上がりが早く(図1)、分解率も高い(図2)結果が得られています。


図1 廃材チップまたはオガクズで乳牛ふんを堆肥化したときの温度変化
(北海道畜産試験場「バガスおよびバガスと廃材チップ混合物の牛舎敷料および堆肥化副資材への利用」2001年、図3を改変)



図2 廃材チップまたはオガクズで乳牛ふんを堆肥化したときの有機物分解率の変化
(北海道畜産試験場「バガスおよびバガスと廃材チップ混合物の牛舎敷料および堆肥化副資材への利用」2001年、図4を改変)


 九州沖縄農業研究センターと佐賀県畜産試験場が行った試験では、廃材チップをブロイラーの敷料として利用した後の堆肥化で、出来上がり堆肥の成分はオガクズと変わりなく、ヒ素や重金属の濃度に問題はありませんでした。

 表 廃材チップまたはオガクズをブロイラーの敷料として堆肥化したときの成分

(九州沖縄農業研究センターと佐賀県畜産試験場「ブロイラの新たな敷料としての建築廃材鋸屑と故紙屑の利用」2001年、表2を改変)

 このように、廃材チップは副資材として利用できます。ただし、質にばらつきがあります。オガクズよりも水分が低くて分解性が高いものもあれば、水分を吸いにくくて分解されにくいものもあります。どのような廃材を使ったか、どのような破砕処理をしたかで、粒径、形状、吸水性、分解性などが大きく違います。また、土砂が混入しているものもあります。


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