建築廃材には有機系殺虫剤やクレオソートを含んだものがある

  床下等には、防腐・防蟻として、クロルピリホス、クロルデン、ヘプタクロル、DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)などの有機系殺虫剤や、クレオソートが使われているものがあります。毒性や発ガン性のある成分が含まれているために、現在は使用できなくなっていますが、建築廃材として排出されるものには、過去に使用されている可能性があります。特に、このような薬剤が内部にまで加圧注入されている木材は、建築されてから数十年経っていても、高濃度で残留しています。

 有機系殺虫剤やクレオソートを高濃度で含んでいる廃材チップを使用すると、作業中に粉塵を吸引することによる健康被害の危険性があります。また、廃材チップやこれを使った堆肥を敷料として利用する場合、家畜の健康に影響する可能性もあります。ヒトに対する危険性の試算では、有機系殺虫剤やクレオソートを高濃度で含んでいる廃材の混入をチップ原料全体の0.6%以下にすべきだとの結果になっています(浅利ら「廃木材のリサイクリングに伴う重金属類、PCP、ダイオキシン類及び多環芳香族炭化水素への暴露」環境科学、13巻、77-88ページ、2003年)。


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