汚水を高度に浄化処理して、畜舎洗浄水などとして再利用する最終的な処理の方法です。排水のほとんどを循環利用する場合には、かなり高度な浄化処理が必要となり、処理費用がかかります。ごく一部ならば、通常の汚水処理水でも問題ないですが、衛生面に気をつけてください。
活性汚泥法等の通常の浄化法では、塩類やフミン質など除去しきれないまま残っています。そのまま全量を再利用し続けると、これらの成分が蓄積していき、活性汚泥などに悪影響をもたらします。このため、RO膜を使った高度な浄化を行う必要があります。RO膜は維持管理費用が非常に高い方法です。また、RO膜で除去された塩類やフミン質を含んだ廃液が出るので、別途処理する方法が必要です。
汚水をある程度浄化処理した水を家畜に飲ませているのも、循環利用の1つと考えられます。しかし、尿汚水を簡易ばっ気した水を家畜に飲ませたところ、死亡したとの報告(千葉県下の一養豚場における肥育豚の硝酸塩中毒の発生例)があります。アンモニアが硝化されて、硝酸や亜硝酸を高濃度で含んでいたことが原因です。また、病原性微生物が死滅するとの報告がないですから、衛生面での危惧もあります。安易に飲ませるべきではありません。
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