用語解説

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「あ」行

RO膜 (あーるおーまく)

(逆浸透膜、reverse osmosis membrane)

→膜処理を参照してください。

膜処理



悪臭物質 (あくしゅうぶっしつ)

(offensive odor material、malodorous material)

不快なにおいの原因となり、生活環境を損なう恐れのある物質で政令で定められたもの。現在、アンモニア、メチルメルカプタンなど22の物質が悪臭物質に指定されている。

アンモニアメチルメルカプタン



亜硝酸 (あしょうさん)

1個の窒素に二個の酸素が結合した物質。化学式でNO2-と書き、水溶液中では、酸性を示します。



亜硝酸細菌 (あしょうさんさいきん)

(アンモニア酸化細菌、nitrite bacteria)

アンモニアを亜硝酸まで好気的に酸化する細菌の総称。硝酸細菌とあわせて硝化細菌と呼んでいます。代表的なものとしてNitrosomonas(ニトロソモナス)がある。

→硝酸化成作用も参照して下さい。

亜硝酸アンモニア酸化硝化細菌硝酸硝酸化成作用硝酸細菌



亜硝酸性窒素 (あしょうさんせいちっそ)

→亜硝酸態窒素を参照してください。

亜硝酸亜硝酸態窒素硝酸硝酸態窒素



亜硝酸態窒素 (あしょうさんたいちっそ)

(亜硝酸性窒素、nitrite nitrogen)

亜硝酸の形になっている窒素。亜硝酸態窒素はNO2-Nと表記します。

亜硝酸NO2-N硝酸硝酸態窒素



NO2-N (あしょうさんたいちっそ)

→亜硝酸態窒素を参照してください。

亜硝酸亜硝酸態窒素硝酸硝酸態窒素



アンモニア (あんもにあ)

(ammonia)

1個の窒素に3個の水素が結合した物質で、刺激性の強い無色の気体です。化学式はNH3と書きます。水に溶けやすく、溶けると水素をもう一つ付けてNH4+となって、アルカリ性を示します。

アンモニアは、ふん尿中の窒素化合物が分解したときに発生し、強い刺激臭がするため、悪臭防止法の規制物質となっています。



アンモニア化成 (あんもにあかせい)

(ammonification)

家畜ふん尿を放置あるいは処理する過程、またふん尿や堆肥を土壌施用した場合に、有機態窒素が微生物などにより分解されてアンモニアに変換される反応。細菌、糸状菌、原生動物などの従属栄養生物が産生する加水分解酵素により、有機物中の主としてアミノ基からアンモニアが生成されます。

→アンモニア態窒素も参照してください。

アンモニアアンモニア態窒素原生動物糸状菌水分有機物



アンモニア酸化細菌 (あんもにあさんかさいきん)

→亜硝酸細菌を参照してください。

亜硝酸亜硝酸細菌硝酸硝酸細菌



アンモニア性窒素 (あんもにあせいちっそ)

→アンモニア態窒素を参照してください。

アンモニアアンモニア態窒素



NH4-N (あんもにあたいちっそ)

→アンモニア態窒素を参照してください。

アンモニアアンモニア態窒素



NH3-N (あんもにあたいちっそ)

→アンモニア態窒素を参照してください。

アンモニアアンモニア態窒素



アンモニア態窒素 (あんもにあたいちっそ)

(NH4-N、NH3-N、アンモニア性窒素、ammonia nitrogen)

アンモニア態窒素とは、アンモニウム塩をその窒素量で表したものです。

家畜ふん尿においては、アンモニアはタンパク質、アミノ酸、尿素、尿酸などの含窒素化合物が分解する際に生成(→アンモニア化成)されますが、家畜ふん尿や畜舎汚水のように水と共存するような状態ではアンモニウムイオン(NH4)の形態で存在します。

排水中のアンモニア態窒素は、水の汚染指標として重要です。アンモニア態窒素は、酸化されると亜硝酸態窒素を経て硝酸態窒素となります。

水系におけるアンモニア態窒素の存在は、近い過去に、し尿(ふん尿を含む)による汚染のあった可能性を示す指標ともなっています。

亜硝酸亜硝酸態窒素アンモニアアンモニア化成酸化硝酸硝酸態窒素



EC (いーしー)

→電気伝導度を参照してください。

電気伝導度



異化作用 (いかさよう)

(catabolism、dissimilation)

物質代謝において、化学的に複雑な物質をより簡単な物質に分解する反応のこと。例えば、私たちが食べた蛋白質、糖類、脂肪などが分解されて、二酸化炭素、水、アンモニアなどになる反応などです。生体は、この反応によって活動エネルギーを得ています。

アンモニア酸化



イソ吉草酸 (いそきっそうさん)

(isovaleric acid)

低級脂肪酸の一つで、化学式は(CH32CHCH2COOHと書きます。むれた靴下のにおいがします。悪臭防止法の規制物質のひとつです。

低級脂肪酸



一次処理 (いちじしょり)

(first treatment、primary treatment)

前処理ともいい、微生物等による本格的な処理を行う以前の汚水処理工程のことです。

一般に沈殿分離、浮上分離、ふるいやスクリーンによるSS除去等の物理的処理が中心です。その行程だけでは、汚水処理が完了しない比較的簡易な汚水処理の総称としても用いられる用語です。

→二次処理も参照してください。

SS二次処理



一般細菌数 (いっぱんさいきんすう)

一般細菌を培養する培地で生えてくる細菌の総称。水の清浄度を示す指標であり、これが著しく増加した場合には病原生物に汚染されている疑いがあります。また、消毒が有効に機能しているかの判断基準にもなります。

培地培養



エアレーション (えあれーしょん)

(aeration)

空気を送り込むこと。液状物中に送るときは曝気、固形物中に送るときは通気と呼びます。好気的な生物処理では、この操作が必須であり、活性汚泥法や堆肥化処理は、その代表的な処理技術です。

汚泥活性汚泥活性汚泥法曝気



エアレーションタンク (えあれーしょんたんく)

→曝気槽を参照してください。

曝気曝気槽



液相 (えきそう)

(liquid phase)

→三相分布を参照してください。

三相分布



SRT (えすあーるてぃー)

(汚泥滞留時間、sludge retention time)

活性汚泥設備内の汚泥が排泥によって何日で新しい汚泥と入れ替わるかを表す値で、活性汚泥設備内にある汚泥量を1日当たりに引き抜く余剰汚泥量で割ることで求めることができます。

具体的には、

  SRT(日)=

  曝気槽、沈殿槽、返送汚泥管の汚泥量 ÷ 1日当たりの余剰汚泥量

一般に3日から6日の値になります。SRTが長いと汚泥が古くなって活性が低下することがあります。また、無機物も蓄積してきます。

汚泥活性汚泥沈殿槽曝気曝気槽返送汚泥返送汚泥管余剰汚泥



SS (えすえす)

(浮遊物質濃度、suspended solids)

水の濁りを示す重要な指標の一つ。水に含まれる粒子を孔径1μmのガラス繊維ろ紙でろ過し、その粒子の乾物重量(mg/Lまたはppm)で表します。

透視度から推定値を得ることもできます。

BOD、CODと深い関連性を持ち、また、汚泥生成量にも関係します。

汚泥COD透視度BODppmμm



SV (えすぶい)

(活性汚泥沈殿率、sludge volume)

活性汚泥槽の活性汚泥の状態を知るための指標です。非常に簡便に測定でき、汚泥の沈降性や量を知ることができます。一般にSVと呼ぶときは、SV30のことを指します。

SV30(えすぶいさんじゅう)は、曝気槽混合液を1Lのメスシリンダーに1L入れ、30分静置した後の沈殿汚泥の容積(ml)の割合(%)です。例えば、沈殿した汚泥と上澄みの境目が300mlのところであれば、SV30=300ml÷1000ml×100=30%となります。曝気槽混合液は、連続式ならば曝気槽の最後のところ付近を、回分式ならば汚水を投入して3時間以上曝気したものを曝気中に採取してください。

一般にSV30を70から100倍するとMLSSの値になります。

SSSV30MLSS汚泥活性汚泥曝気曝気槽曝気槽混合液メスシリンダー容積



SVI (えすぶいあい)

(汚泥容量指数、汚泥容量指標、sludge volume index)

活性汚泥の沈降性を示す指標。1gの活性汚泥が占める容積をmlで表し、SVI=(SV×10,000)/MLSSの式で算出されます。

SVIは、活性汚泥を30分間静置した場合に、1gのMLSSの占める容積をml数で示したもので、SVI=100とは、活性汚泥1gが100mlの容積を占めることを表しています。

通常の曝気槽では、50から150が適切な値であり、200以上だとバルキングしている状態であることを示します。

SSSVMLSS汚泥活性汚泥曝気曝気槽バルキング容積



SV30 (えすぶいさんじゅう)

30分間で測定したSVのこと。単にSVと呼ぶこともあります。

→SVを参照してください。

SV



MF膜 (えむえふまく)

(microfiltration membrane)

精密濾過膜。→膜処理を参照してください。

精密濾過膜処理



MLSS (えむえるえすえす)

(活性汚泥浮遊物質、mixed liquor suspended solids)

活性汚泥槽の汚泥量を表す値です。MLSSは活性汚泥液をSSと同じ手順で測定すれば求めることができます。

一般にSV30の値を70から100倍した値になります。

一般に2,000 mg/L以上の値が必要です。

SSSVSV30汚泥活性汚泥



MLVSS (えむえるぶいえすえす)

(活性汚泥有機性浮遊物質、mixed liquor volatile suspended solids)

MLSSで残った粒子の強熱減量(VS)をmg/Lで表わしたものです。MLSSの有機物量を表すことから、活性汚泥法における曝気槽混合液の微生物量をMLSSよりも正確に示す指標として用いられます。

SSMLSS汚泥活性汚泥活性汚泥法強熱減量曝気曝気槽曝気槽混合液有機物



ORP (おーあーるぴー)

(酸化還元電位、oxidation-reduction potential)

汚水などが酸化状態か、還元状態かを電位で示す指標。好気的なものは電位が高く、嫌気的なものは低い値になります。例えば、酸素が十分に供給されている活性汚泥法の曝気槽は+100から+500mVの値を示しますが、代表的な嫌気的処理であるメタン発酵槽は-200mV以下になります。

汚泥活性汚泥活性汚泥法酸化曝気曝気槽発酵



汚水のSSが高い (おすいのえすえすがたかい)

活性汚泥は、汚泥を沈殿させた上澄みを処理水として出すため、曝気槽に入ったSSは、微生物に分解されるか、水に浮くかしない限り、汚泥の一部として堆積していきます。このため、SSが蓄積していくと、汚泥に占める汚水由来のゴミの割合が高くなり、見かけ(MLSSやSV)よりも実際は微生物が少なくなってしまいます。

SSSVMLSS汚泥活性汚泥曝気曝気槽



汚水の滞留時間 (おすいのたいりゅうじかん)

曝気槽の中が何日で新しい汚水と入れ替わるかを表す値で、曝気槽の容積を1日あたりに流入する汚水および希釈水の量で割ることで求めることができます。

汚水の滞留時間は、下水処理では数時間というものもありますが、畜舎汚水のような高濃度のものを処理する場合は数日を要します。

滞留時間曝気曝気槽容積



汚濁負荷量 (おだくふかりょう)

(pollution loading amount、pollution load)

汚水量と汚濁物質濃度を乗じて求めた汚濁物質量。処理施設で処理すべき汚濁物質量(BODやSSなど)を把握するための基本的な数値で、例えば1日当たりの汚濁負荷量は次式によって算出されます。

  汚濁負荷量(kg/日)=

  汚水量(m3/日)× 汚濁物質濃度(mg/L)÷ 1,000

また、家畜一頭当たりの汚濁負荷量を汚濁負荷量原単位と呼びます。

SSBOD負荷



汚泥 (おでい)

活性汚泥法において、活性汚泥を汚泥と略して呼びます。

活性汚泥活性汚泥法



汚泥界面 (おでいかいめん)

活性汚泥を静置して、汚泥と上澄みに分離したときのその境目のこと。正常な活性汚泥は汚泥界面がはっきりしています。

汚泥活性汚泥



汚泥滞留時間 (おでいたいりゅうじかん)

→SRTを参照してください。

SRT



汚泥の解体 (おでいのかいたい)

いったん凝集した汚泥が凝集しなくなる現象。主な原因としては、極端な高負荷、極端な低負荷、汚泥の老化があります。極端な高負荷は、細菌の食べ物が多くあると細菌が集まらなくなる現象によって、極端な低負荷は、微生物が食べるものがないために自己消化するため、汚泥の老化は、ゴミや老廃物の蓄積や汚泥を食べる微生物の増殖によって、汚泥の解体をもたらします。

汚泥負荷



汚泥の引き抜き (おでいのひきぬき)

曝気槽の汚泥は、増殖して増えていくため、定期的に一部を除去する必要があります。汚泥の引き抜きを長期間行わないと、汚泥が古くなり、汚水の浄化能力が落ちるとともに、汚泥が解体してこの成分が処理水に流れ出てしまいます。汚泥を抜く量は、そのときのSV30を参考に、SV30が40%以上ならば5割、40-20%ならば2割、20%以下ならば1割程度を抜くというようにします。ただし、この抜く割合は、施設や状況によって違います。例えば、日常的に負荷が高めで動いている場合は、SV30が多めになるように引き抜き量を減らしたり、気温が低いときはSV30を多め、高いときは少なめにする等です。

SVSV30汚泥曝気曝気槽負荷



汚泥容量指数 (おでいようりょうしすう)

→SVIを参照してください。

SVSVI



汚泥容量指標 (おでいようりょうしひょう)

→SVIを参照してください。

SVSVI


「か」行

回転円板法 (かいてんえんばんほう)

汚水の微生物処理法の1つ。回転する円盤の一部を汚水に、他方を外気に触れさせることによって、円盤の表面に微生物の膜を作り、汚水の有機物を分解させる方法。生物膜法に分類される。

有機物



回転ふるい (かいてんふるい)

(rotary screen)

下方に傾斜した円筒形のスクリーンを回転させ、上部から円筒形スクリーン内に汚水を投入し汚水中の比較的大型のSSを除去するふるい。

SS



灰分 (かいぶん)

(ash)

試料を大気中で500-600℃の高温で熱し、含有する有機物を完全に燃焼、揮散させた後の残存部分。通常、灰分の量をもって近似的に試料の無機物含量とみなすことが多い。強熱残量と呼ぶこともある。

→有機物を参照してください。

有機物



回分式活性汚泥法 (かいぶんしきかっせいおでいほう)

1つの槽内で活性汚泥の曝気と沈殿を繰り返す方法。

活性汚泥と上澄液を分離させる沈殿槽を設けず、曝気を停止した曝気槽として利用する。具体的には、曝気を停止し1〜2時間静置し活性汚泥を沈殿させて上澄液を排出させた後、汚水を投入して再び曝気を続ける運転法。汚水の投入と処理水の排出を連続的に行わず、何回かに分けて(1日に1回の入れ替えが一般的)行う運転法。沈殿槽を必要としないため費用も安く、汚泥返送等の沈殿槽管理が不要のため維持管理が容易である。

汚泥活性汚泥沈殿槽曝気曝気槽



回分処理 (かいぶんしょり)

(batch system treatment)

原料を一度に投入し、一定の処理時間を経て変化を生じさせたのち、処理系から排出する処理。

この方式をとる汚水処理に回分式活性汚泥法がある。

汚泥回分式活性汚泥法活性汚泥活性汚泥法



化学的酸素消費量 (かがくてきさんそしょうひりょう)

→CODを参照してください。

COD



化学的酸素要求量 (かがくてきさんそようきゅうりょう)

→CODを参照してください。

COD



かさ密度 (かさみつど)

(bulk density)

→密度を参照してください。

密度



活性汚泥 (かっせいおでい)

(activated sludge)

汚水を浄化する機能を持ち、沈降性の優れた微生物の塊(フロック)です。細菌や原生動物など多種類の好気性微生物が数多く含まれています。

汚水を曝気し続けると、空気中や汚水などから入り込んで、これらの微生物は自然に増殖してきます。しかし、汚水を浄化する適切な微生物にするためには、適切な曝気量や有機物量が必要です。

原生動物曝気フロック有機物



活性汚泥沈殿率 (かっせいおでいちんでんりつ)

→SVを参照してください。

SV



活性汚泥浮遊物質 (かっせいおでいふゆうぶっしつ)

→MLSSを参照してください。

SSMLSS



活性汚泥法 (かっせいおでいほう)

(activated sludge process)

活性汚泥を利用した汚水処理法です。

汚泥活性汚泥



活性汚泥有機性浮遊物質 (かっせいおでいゆうきせいふゆうぶっしつ)

→MLVSSを参照してください。

SSMLVSS



活性炭 (かっせいたん)

(active carbon)

吸着性の強い炭。木材、褐炭、泥炭などを活性化剤で処理して乾溜したり、木炭を水蒸気で活性化処理して製造します。脱臭や排水の脱色などに利用されます。

吸着



活性炭吸着法 (かっせいたんきゅうちゃくほう)

(activate carbon adsorption method)

活性炭は普通20-40Å(オングストローム)の多孔質で、その表面積は900-1,300m2/gもあり、脱色、吸湿、脱臭性が高い。この性質を利用して気体の臭気物質を活性炭に吸着させて脱臭したり、液体の色素成分やCOD等を除去する方法。

活性炭吸着COD



環境アセスメント (かんきょうあせすめんと)

(environmental assessment、environmental impact assessment)

大規模開発等の事業による環境への影響を未然に防止するため、大気、水質および生物等に与える影響等について事前に調査、予測及び評価を行うこと。



環境基準 (かんきょうきじゅん)

(environmental quality standard)

環境基本法第16条に基づき「人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準」として政府が定める環境保全上の目標。環境基準は大気、水質、騒音、土壌について設定されています。



気相 (きそう)

(gaeous phase)

→三相分布を参照してください。

三相分布



吉草酸 (きっそうさん)

→吉草酸にはイソ吉草酸とノルマル吉草酸がありますので、これらを参照してください。

イソ吉草酸ノルマル吉草酸



揮発性脂肪酸 (きはつせいしぼうさん)

→VFAを参照してください。

VFA



逆浸透 (ぎゃくしんとう)

(reverse osmosis)

→膜処理を参照してください。

膜処理



キャリオーバー (きゃりおーばー)

連続式活性汚泥法において、曝気槽の後の沈殿槽で汚泥が上澄みと分離せずに処理水として流れ出てしまうことです。

汚泥活性汚泥活性汚泥法沈殿槽曝気曝気槽連続式活性汚泥法



吸着 (きゅうちゃく)

(adsorption)

活性炭が悪臭の原因物質を表面にとらえて脱臭したり、染色工場排水中の染料をとらえて脱色したりする現象。

活性炭



吸着法 (きゅうちゃくほう)

(adsorption method)

臭気物質を吸着する能力の高い材料に吸着させる方法で、活性炭を主体とする物理的吸着法と、イオン交換樹脂等の化学吸着法との2つがある。

活性炭吸着



凝集剤 (ぎょうしゅうざい)

(coagulant)

水の濁りや色を除去するために用いられる薬剤で、水中に懸濁する微粒子をくっつけてフロック(集塊)をつくらせ、沈降、濾過によって分離除去するのを容易にする作用があります。一般な凝集剤としては、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸アルミニウムなどの無機凝集剤、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミドなどの高分子凝集剤、デンプンなどの有機凝集剤があります。

高分子凝集剤フロック有機凝集剤



強熱減量 (きょうねつげんりょう)

(VS、volatile solids、ignition loss)

汚水や汚泥中の有機物量を示す指標。蒸発残留物(TS)を600℃で1時間強熱灰化して揮発する物質量をmg/Lあるいはmg/kgで表します。

汚泥蒸発残留物TS有機物



強熱残留物 (きょうねつざんりゅうぶつ)

(fixed solids、non volatile solids)

汚水や汚泥中の無機物量を示す指標。蒸発残留物(TS)を600℃で1時間強熱灰化して残留する物質量をmg/Lあるいはmg/kgで表します。灰分と同じものです。

汚泥灰分蒸発残留物TS



菌類 (きんるい)

(fungi(複)、fungus(単))

主として、かび、きのこ、酵母の総称。

酵母



クリプトスポリジウム (くりぷとすぽりじうむ)

(cryptosporidium)

コクシジウム近縁の消化管寄生性原虫。哺乳動物に寄生するものにCryptosporidium parvumとC.murisがある。前者の寄生部位は腸管で、オーシストの大きさは4.5〜5.5μm、後者の寄生部位は胃で、7〜8μmである。少数(通常、30個前後、時に1個)のオーシストの経口摂取により感染が成立し、激しい下痢症状を呈することがあり、免疫力の低下している人では死に至ることもある。治療に有効な薬剤はなく、輸液、補液などの対症療法により自然治癒をまつ。発病時には人で10億個、牛では100億個のオーシストを排泄する。犬などでは無症状のままオーシストの排泄があり、ネズミなど野性動物を含め、感染源を幅広く捕らえなければならない。塩素に対する抵抗力が強く通常の塩素消毒ではオーシストが耐過するので、上水道も感染経路となる。

μm



限外濾過膜 (げんがいろかまく)

(ultrafiltration membrane)

→膜処理を参照してください。

膜処理



嫌気性細菌 (けんきせいさいきん)

(anaerobic bacteria、anaerobe)

酸素がなくても生育できる細菌。酸素が存在すると生育できない絶対(偏性)嫌気性細菌と、酸素があってもなくても関係なく生育できる通性嫌気性細菌があります。メタン細菌は代表的な絶対嫌気性細菌です。嫌気性細菌に対して、酸素がないと生育できない細菌を好気性細菌と呼びます。

好気性細菌



嫌気性処理 (けんきせいしょり)

(anaerobic treatment)

遊離酸素が存在する状態で生存が困難な嫌気性微生物が活動して汚水中の汚染物の分解を行う一連の方法。メタン発酵処理(消化処理ともいう)は、嫌気性処理の代表的なものである。

発酵



原生動物 (げんせいどうぶつ)

(protozoa)

単細胞動物の総称。汚水浄化施設の活性汚泥の中に多数存在し、細菌とともに汚水の浄化に重要な役割を果たしています。

汚泥活性汚泥



好気性細菌 (こうきせいさいきん)

(aerobic bacteria、aerobe)

酸素がないと生育できない細菌。活性汚泥法などの浄化処理や堆肥化処理は、好気性細菌の有機物分解能力によるところが大きいです。好気性細菌に対して、酸素がなくても生育できる細菌を嫌気性細菌と呼びます。

汚泥活性汚泥活性汚泥法嫌気性細菌有機物



好気性処理 (こうきせいしょり)

(aerobic treatment)

空気の存在下で生育、増殖する好気性細菌、カビ類、原生動物、藻類その他の好気性微生物により有機物を分解し、汚水や汚物の浄化をする方法。活性汚泥法処理は、好気性処理の代表的なものである。

汚泥活性汚泥活性汚泥法原生動物好気性細菌有機物



高分子凝集剤 (こうぶんしぎょうしゅうざい)

(high molecular coagulant、polymer coagulant)

有機凝集剤で、エビやカニ類の甲羅から作る天然高分子系のものと、合成高分子系に分けられる。重合度の高い有機物質で、イオン活性が大きく、浮遊粒子やコロイド粒子と結合または吸着しやすく、少量の添加で著しく凝集を促進する。陰イオン(anion)系、陽イオン(cation)系、非イオン(nonion)系とがあり、汚水の化学処理に用いることができるが、おのおの特性があるので、あらかじめ用途に応じて選択しなければならない。一般的に、活性汚泥等の有機性汚泥処理には陽イオン系、泥水や無機SSを多く含む排水の固液分離には陰イオン系、非イオン系が使われる。

吸着凝集剤有機凝集剤有機物



酵母 (こうぼ)

(yeast)

大部分の生活環を単細胞で経過し、一般に出芽によって増殖する菌類の総称。ふつう大きさは5〜10μm(1μmはmmの千分の1)、形は球形か楕円形である。アルコール発酵の能力が高く、酒類の製造やパンの製造に広く利用されている。

菌類発酵μm



固相 (こそう)

(solid phase)

→三相分布を参照してください。

三相分布



混合液浮遊物質濃度 (こんごうえきふゆうぶっしつのうど)

→SVを参照してください。

SV


「さ」行

サルモネラ (さるもねら)

(サルモネラ菌、Salmonella)

腸内細菌科に属し、ヒトおよび動物に病原性を示し、チフス症や急性胃腸炎、食中毒などを起こす多くの菌を含む菌属である。食中毒の原因となるサルモネラは数10種に及ぶが、S.typhimurium、S.enteritidisなどが主要な菌種である。

一般にサルモネラ菌とも呼ばれるが、学術的にはサルモネラが用いられている。



酸化 (さんか)

(oxidation)

酸素と化合して酸化物をつくること。例えば、炭素が酸化されると二酸化炭素に、アンモニアが酸化されると、亜硝酸や硝酸になる。

亜硝酸アンモニア硝酸



酸化還元電位 (さんかかんげんでんい)

→ORPを参照してください。

ORP



三次処理 (さんじしょり)

(third treatment、tertiary treatment)

活性汚泥処理などによる二次処理の次に行う汚水処理工程。後処理ともいい、本処理工程が終了しても処理が不十分な場合、もしくは、より高度な処理が求められる場合に行う処理工程。一般には、滅菌、脱色、脱窒、脱リン等の処理工程が多いが、凝集沈殿や膜濾過等による三次処理もある。

汚泥活性汚泥脱窒二次処理



三相分布 (さんそうぶんぷ)

(solid、liquid and gaeous phase of soils)

土壌は、固体、液体ならびに気体から構成され、それらを固相(solid phase)、液相(liquid phase)、気相(gaeous phase)と呼ぶ。

液相気相固相



酸素消費速度 (さんそしょうひそくど)

(oxygen utilization rate)

酸素利用速度ともいい、曝気槽内混合液(活性汚泥液)が単位時間当たりに利用(消費)する酸素量のことで、単位時間当たりの利用(消費)酸素濃度(mg/L・H)で示され、rrと表示される。活性汚泥を最適に管理するためには、活性汚泥の酸素利用速度に等しいか、あるいはそれ以上の速度で酸素を供給しなければならない。その際の曝気槽内混合液のDOは常に2〜3mg/L以上を保たせる必要があると言われている。

【汚泥の酸素消費速度の測定法】栓のできる容器に汚泥を9割程度まで入れ、DOを測定してからふたをします。そのまま1時間静置し、再びDOを測定します。微生物の活性があるならば、最初のDOの値よりも、後の方が低い値になっています。最初の酸素濃度から後の濃度を差し引くと酸素利用速度が求められます。

汚泥活性汚泥酸素利用速度DO曝気曝気槽



酸素消費量 (さんそしょうひりょう)

(oxygen demand)

排水中の酸化されやすい物質、主として有機物によって消費される酸素量をmg/Lで表したものである。汚水を浄化する場合に消費される酸素の量を示し、その排水の汚染度の目安として使用され、COD、BOD等の表示法がある。

酸化CODBOD有機物



酸素利用速度 (さんそりようそくど)

(oxygen utilization rate)

→酸素消費速度を参照してください。

酸素消費速度



ジアルジア (じあるじあ)

(giardia)

ジアルジアは、鞭毛虫類の1属であり、様々な哺乳動物の消化管内に寄生している。大きさは12-15×7-10μmで、糞便を塗抹染色することにより検出される。小腸に寄生し、従来、病原性は不明であるが、ヒトではまれに多数寄生すると下痢症を起こすとされてきた。近年、クリプトスポリジウムと同様に水道を経由し感染することがわかり問題となっている。

クリプトスポリジウムμm



COD (しーおーでぃー)

(化学的酸素要求量、化学的酸素消費量、COD、chemical oxygen demand)

水の有機物による汚濁の指標の一つ。水中の有機性汚濁物質を酸化剤によって化学的に酸化するときに要する酸素量をmg/Lで表します。酸化剤には、わが国では過マンガン酸カリウムを用いるのが一般的であり、CODMnと表示することもあります。

生物化学的に酸素要求量を測定するBODとは必ずしも一致しない汚染有機物量の推定方法であるが、試験が容易で短時間に結果がわかるため、浄化施設の処理効率などの指標として用いられます。

酸化BOD有機物



糸状菌 (しじょうきん)

汚水処理の汚泥の場合は、糸状性細菌を参照してください。

堆肥化処理では、堆積層中に増殖したかび(fungus)の菌糸を糸状菌といっている。かび類は、糸のように細く連なった細胞(菌糸)でできており、その菌糸の尖端に胞子がつき、その胞子が飛散して増殖する。堆肥中のかびの発生は水分が少ないときに認められ、発酵の末期であることが多い。このため、かびが発生した堆肥では不快臭が少ないが、これは発酵が進行し易分解性物質の大半が消失したためで、かび自体は有機物の分解に関与しているが、生物脱臭には直接的に役立っているとは考えられない。

汚泥糸状性細菌水分発酵有機物



糸状性細菌 (しじょうせいさいきん)

(糸状菌、filamentous bacteria、filamentous fungus)

視覚的に糸状を呈する微生物群の総称。

汚水処理では、浅い水底に糸状の群落をつくり、あるいは水中に分散した糸状の群体を生じる細菌(bacteria)を糸状性細菌と称している。活性汚泥の糸状性細菌性バルキング(膨化)を引き起こす原因微生物(Sphaerotilusがよく知られている)であり、汚泥の沈降性の良否を判定する重要な指標生物となっている。また、一般に糸状菌は有機質を多く含む水域に増殖するから、有力な汚濁指標生物としても利用できる。

汚泥活性汚泥糸状菌バルキング



重金属 (じゅうきんぞく)

(heavy metals)

比重が比較的大きい金属。通常比重が4.0あるいは5.0以上の金属を指します。水銀、カドミウム、鉛、クロム、ヒ素など、多量に接種すると健康に害のある金属が多いです。

肥料取締法においては、堆肥など特殊肥料の重金属濃度は、乾物1kg当たりヒ素50J、カドミウム5J、水銀2J以下であるように規制されています。しかし、家畜ふん堆肥の場合は、これらの物質が混入するとは考えにくいです。むしろ、家畜ふんの場合に問題となるのは銅と亜鉛です。とくに豚の場合には、多量の銅と亜鉛が飼料に添加されるため、ふん中でのこれらの金属の濃度は極めて高くなることがあります。堆肥としての利用を促進するためには、銅と亜鉛の添加を極力減らすことが重要だと考えられています。

比重



馴致 (じゅんち)

→馴養を参照してください。

馴養



馴養 (じゅんよう)

(馴致)

種汚泥を新しい活性汚泥槽に入れたときなどに、新しい環境に活性汚泥を馴れさせること。文章で書く場合は馴致を使うことが多いです。

汚泥活性汚泥馴致



硝化細菌 (しょうかさいきん)

(nitrifying bacteria)

アンモニアから硝酸を作る反応に関与する亜硝酸細菌および硝酸細菌の総称。通常の微生物が有機物の酸化過程で生体に必要なエネルギーを獲得しているのに対して、硝化細菌はアンモニアや亜硝酸などの無機物の酸化過程によりエネルギーを獲得します。好気性の比較的増殖の遅い独立栄養細菌です。

→硝酸化成作用も参照してください。

亜硝酸亜硝酸細菌アンモニア酸化硝酸硝酸化成作用硝酸細菌有機物



硝酸 (しょうさん)

1個の窒素に3個の酸素が結合した物質。化学式でNO32-と書き、水溶中では、酸性を示します。



硝酸塩 (しょうさんえん)

(nitrate)

硝酸カリウム、硝酸ナトリウムなど硝酸を含む化合物の総称。飼料作物中の硝酸塩含有量や、地下水の硝酸塩汚染などが問題となっている。

硝酸



硝酸化成作用 (しょうさんかせいさよう)

(硝化、nitrification)

アンモニア態窒素が微生物によって酸化され、亜硝酸態窒素、さらに硝酸態窒素にまで変化する反応のこと。

硝酸化成は自然界に存在する硝化細菌によって行われる。

亜硝酸亜硝酸態窒素アンモニアアンモニア態窒素酸化硝化細菌硝酸硝酸態窒素



硝酸細菌 (しょうさんさいきん)

(亜硝酸酸化細菌、nitrate bacteria)

亜硝酸を硝酸まで好気的に酸化する細菌の総称。亜硝酸細菌とあわせて硝化細菌と呼んでいます。代表的なものとしてNitrobacter(ニトロバクター)がいます。

→硝酸化成作用も参照してください。

亜硝酸亜硝酸細菌酸化硝化細菌硝酸硝酸化成作用



硝酸性窒素 (しょうさんせいちっそ)

→硝酸態窒素を参照してください。

硝酸硝酸態窒素



硝酸態窒素 (しょうさんたいちっそ)

(硝酸性窒素、NO3-N、nitrate nitrogen)

硝酸の形態をした窒素のこと。硝酸化成作用の過程で硝化細菌などの働きにより亜硝酸から生成される。土壌中では、アンモニア態窒素は土壌粒子に吸着されるため移動しにくいが、硝酸態窒素は移動性が大きく土壌中を下降する水によって洗脱されやすい。家畜ふん尿等を多量に施用した場合、土壌中で多量の硝酸が生成し、硝酸イオンとして洗脱され地下水汚染を生ずる可能性がある。

水中の硝酸態窒素は、主としてたんぱく質などの分解によって生じたアンモニア態窒素が、硝化細菌などの作用によって酸化される際の最終生成物であるため、汚水処理においては汚濁物質の浄化の程度を知るうえの手掛かりとなる。

亜硝酸アンモニアアンモニア態窒素吸着酸化硝化細菌硝酸硝酸化成作用



蒸発残留物 (じょうはつざんりゅうぶつ)

(TS、total solids)

汚水や汚泥中の固形物量を示す指標。試料を105-110℃で乾燥したあとに残留する物質量をmg/Lあるいはmg/kgで表します。蒸発残留物は強熱減量と強熱残留物の和で表されます。

  蒸発残留物=強熱減量+強熱残留物

また、考え方を変えれば、SSと溶解性物質の和でも表すことができます。

  蒸発残留物=SS+溶解性物質

SS汚泥強熱減量強熱残留物



植種 (しょくしゅ)

(seeding)

汚水の浄化を円滑に行うために、すでにその生活環境や栄養条件に適した微生物を添加する操作のこと。BOD測定時に際しては、使用する希釈水に好気性酸化に必要な微生物を添加する操作を行っており、これを植種といっている。

酸化BOD



振動ふるい (しんどうふるい)

(vibrating screen)

金網を張ったふるいの上に汚水を投入し、振動によって固液分離を行う機構で、振動方式によって固形分を輸送したり、逆勾配で持ち上げたりもできる簡易で安価な固液分離機であるため、畜舎汚水の固液分離に適す。



水温と微生物活性 (すいおんとびせいぶつかっせい)

活性汚泥の微生物は、温度が高いほど活性が高くなります。20℃の活性に対して、30℃は2倍、37℃は2.3倍の活性があり、逆に、10℃は半分しかありません。ただし、微生物の活性は37℃までが限界で、これを超えると急速に活性が低下します。

汚泥活性汚泥



水分 (すいぶん)

(moisture)

試料に含有される水を指す。一定温度で試料を加熱して完全に乾燥し、その際の減量を以て水分量とし、試料に対する百分率(%)で水分を表すことが多い。試料から水分を除いた残部は、乾物または固形物と呼ばれ、全体100%から水分%を差引いて示される。



スカム (すかむ)

(scum)

曝気槽や沈殿槽の水面に浮いているもの。細かい粒子状のものから30 cmを超える大きな固まりまで、様々なものがあります。

→スラッジも参照してください。

スラッジ沈殿槽曝気曝気槽



スラッジ (すらっじ)

(sludge)

生汚泥、沈殿汚泥、消化汚泥、余剰汚泥等を総称した汚泥。スカムの対語として沈殿した下層部の汚泥を意味する場合もあります。

汚泥スカム余剰汚泥



生物化学的酸素消費量 (せいぶつかがくてきさんそしょうひりょう)

→BODを参照してください。

BOD



生物化学的酸素要求量 (せいぶつかがくてきさんそようきゅうりょう)

→BODを参照してください。

BOD



生物脱臭法 (せいぶつだっしゅうほう)

(bio-filter method)

脱臭材料中の水分または水溶液に臭気成分を溶解するか、材料中への吸着などによりいったん臭気成分を捕集し、材料中または水溶液中の微生物等の働きで無臭な成分へと変えて脱臭する方法。

吸着水分



精密濾過 (せいみつろか)

(microfiltration)

→膜処理を参照してください。

膜処理



全窒素 (ぜんちっそ)

(T-N、total nitrogen)

無機態窒素および有機体窒素の総量。無機態窒素とはアンモニア態窒素、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素を指し、有機態窒素とは蛋白質をはじめ種々の有機化合物の窒素を指します。

  全窒素=無機態窒素+有機態窒素

家畜ふん尿の場合、窒素化合物の形態の変移は汚水浄化の過程を示すもので、最終的には汚水の処理程度の指標ともなります。特に微生物による好気的処理を行う処理水中には、有機性窒素が減少し、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素の含有量が比較的多くなります。

亜硝酸亜硝酸性窒素亜硝酸態窒素アンモニアアンモニア態窒素硝酸硝酸性窒素硝酸態窒素


「た」行

体積 (たいせき)

大きい体積には、m3(立方メートル、立米、リューベイ)が使われます。小さい体積には、L(リットル)、ml(ミリリットル)、μl(マイクロリットル)が使われます。

1 m3は1,000 L、1 Lは1,000 ml、1 mlは1,000 μlです。また、1 Lの水は約1 kgの重さになります。



大腸菌 (だいちょうきん)

(coliform bacillus、Esherichia coli

人および動物の腸内とくに大腸に多数存在する細菌で、ふん尿に汚染された所に広く存在し、汚染の指標となる。腸内細菌科(Enterobacteriaceae)に属する。菌体に由来するO抗原(耐熱性)、鞭毛に由来するH抗原(易熱性)、莢膜に由来するK抗原、線毛に由来するF抗原があり(いずれも中間的熱抵抗性)、これにより血清型が細分されている。

大腸菌は元来非病原性であるが、下痢等を起こす病原性大腸菌も知られており、人に対する病原性から、次の4種に分類されている。

1) 腸管病原性大腸菌(enteropathogenic E. coli (EPEC))、別名:腸管凝集粘着性大腸菌(entroaggregative E. coli (EAEC))、腸管接着性微絨毛消滅性大腸菌(attaching and effacing E. coli (AEEC))。以下3種に属さない下痢原性大腸菌の総称。

2) 腸管侵入性大腸菌(enteroinvasive E. coli (EIEC))。

3) 毒素原性大腸菌(enterotoxigenic E. coli (ETEC))。

4) 腸管出血性大腸菌(enterohemorrhagic E. coli (EHEC))、別名:Vero毒素産生大腸菌(verocytotoxin-producing E. coli (VTEC))。

近年、食中毒による死亡例のでて話題となっている病原性大腸菌O-157は、EHECに分類され、血清型はO-157:H7である。

家畜における大腸菌症には、牛では子牛の下痢症、乳房炎など、豚では敗血症、白痢、浮腫病など、鶏では敗血症、関節炎、腸炎などがある。



大腸菌群 (だいちょうきんぐん)

(Coliform group)

大腸菌や大腸菌に似た性質の細菌の総称で、そのほとんどは食中毒原因菌ではありません。しかし、大腸菌群が検出される食材・食品には、病原性大腸菌O157やサルモネラなどの食中毒原因菌が含まれる可能性も高くなることから、ふん便などによる汚染をどの程度受けているかの指標に使われます。

サルモネラ大腸菌



滞留時間 (たいりゅうじかん)

(retention time)

槽や池の有効容量を単位時間当りの流入量で除したもの。曝気槽の滞留時間は、汚水が活性汚泥微生物による生物酸化処理を受ける時間を意味する。

沈殿槽の滞留時間は、固形物の沈殿分離に要する水の静置時間を意味する。

汚泥活性汚泥酸化沈殿槽曝気曝気槽



脱臭装置 (だっしゅうそうち)

(deodorization equipment)

悪臭物質を吸着、水洗、生物的分解、燃焼などの方法で脱臭する装置。家畜ふん尿処理では、オガクズ脱臭装置、土壌脱臭装置、ロックウール脱臭装置、オゾン脱臭装置などが利用されています。

悪臭物質吸着



脱窒 (だっちつ)

(denitrification)

無酸素状態で、脱窒細菌が亜硝酸態窒素や硝酸態窒素を窒素ガスなどに還元する作用。硝化作用と組み合わせることによって汚水中の窒素を除去することができます。

亜硝酸亜硝酸態窒素硝酸硝酸態窒素有機物



沈殿槽 (ちんでんそう)

汚水をいったん溜めて、固形分を沈殿させるための槽。



TS (てぃーえす)

→蒸発残留物を参照してください。

蒸発残留物



DO (でぃーおー)

(溶存酸素、dissolved oxygen)

水に溶解している酸素濃度。1 L(リットル)の水に何mg(ミリグラム)の酸素が含まれているかで表します。活性汚泥法などの汚水の好気性処理法では、運転管理の重要な制御指標となります。

測定には溶存酸素計を用います。

一般に曝気槽の中は、2mg/L程度あれば曝気は十分です。また、窒素除去を目的とするのならばDOを高めに設定します。

水に酸素の溶ける量は、気圧、水温、塩分などに影響されますが、汚染された水中では、消費される量が多いのでその含有量は少なく、水が清純であるほどその温度における飽和量に近く含有されます。0℃、1気圧において水に溶ける酸素濃度は14.16mg/kgで、20℃になると8.84mg/kgになります。

汚泥活性汚泥活性汚泥法好気性処理曝気曝気槽溶存酸素



低級脂肪酸 (ていきゅうしぼうさん)

→VFAを参照してください。

VFA



電気伝導度 (でんきでんどうど)

(電気伝導率、EC、electric conductivity)

水溶液が電気を伝導する程度を表す指標で、水中の塩類濃度を示す目安となります。単位は水溶液の電気抵抗率の逆数に相当するS/m(ジーメンス/m)ですが、通常の水質試験ではμS/cmやmS/cmなども用いられます。



電気伝導率 (でんきでんどうりつ)

→電気伝導度を参照してください。

電気伝導度



同化作用 (どうかさよう)

(anabolism)

物質代謝において、化学的に簡単な物質から、複雑な物質を合成する反応。異化作用と対置される。例えば植物が太陽光線と水と二酸化炭素からデンプンを作る作用である「炭酸同化作用(光合成)」が有名である。

異化作用酸化



透視度 (とうしど)

(Tp、transparency)

水の透明度を示す指標の一つ。1 mm幅の2本の線が分かれて見える深さ(cm)で表します。一般に目視で1 mm幅の2本の線が見えるかどうかで測定する透視度計を用いて測定します。汚水の浄化の程度を簡単に判断する指標に用いられます。

透視度からSS、BOD、CODを推定できます。ただし、汚水の内容によって計数が変わるので注意が必要です。

例えば透視度30cmの場合、Tp30と表示することがあります。

SSCODBOD



TOX (とっくす)

有機ハロゲン化合物の総称。水に含まれる有機物は、ほとんどが消毒用の塩素と反応して様々な有機ハロゲン化合物となります。発ガン性が指摘されているトリハロメタンもこれに含まれます。

トリハロメタン有機物



トリハロメタン (とりはろめたん)

(THM、trihalomethane)

メタン(CH4)の4個の水素原子のうち3個がハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素)で置き換わった化合物の総称で、発ガン性が確認されています。そのうちクロロホルム、ブロモジクロロメタン、ブロモホルムの4種の化合物の合計量を総トリハロメタンといい、水質検査項目となっています。水道水の塩素処理中に、原水中に含まれる有機物から生成します。

有機物


「な」行

二次処理 (にじしょり)

(second treatment、secondary treatment)

一次処理の次に行う汚水処理工程。本処理ともいい、その汚水処理技術を代表する汚水処理工程。一般的に微生物による本格的な汚水処理工程を意味するが、処理法により微生物処理以外の処理工程を意味することもある。

例えば、一般的な活性汚泥処理施設では、スクリーンなどによる固形分の除去が一次処理で、汚水の活性汚泥処理が二次処理と呼びます。また、二次処理の後に、さらに浄化処理をする場合は、これを三次処理と呼びます。

一次処理汚泥活性汚泥三次処理



二硫化メチル (にりゅうかめちる)

(dimethyl disulfide)

硫黄化合物の悪臭規制物質の一つで、化学式はCH3SSCH3と書きます。腐ったキャベツのようなにおいがします。

SS



ノルマル吉草酸 (のるまるきっそうさん)

(n-valeric acid)

低級脂肪酸の悪臭規制物質の一つで、化学式はCH3(CH2)3COOHと書きます。むれた靴下のにおいがします。

低級脂肪酸



ノルマル酪酸 (のるまるらくさん)

(n-butyric acid)

低級脂肪酸の悪臭規制物質の一つで、化学式はCH3(CH2)3COOHと書きます。汗くさいにおいがします。サイレージの調製に失敗した場合発生します。

低級脂肪酸


「は」行

培地 (ばいち)

(culture medium)

微生物、組織などのガラス器内培養のため、たんぱく質、脂肪、無機質などの栄養物質を組み合わせたもの。試験の目的により、各種物質の組合せが工夫されている。大別して大量培養用の液体培地と分離定量用の固体培地がある。

培養



培養 (ばいよう)

(culture、cultivation、incubation)

微生物、大型動植物もしくはその組織の一部を外的条件(温度、光などの物理的並びに酸素、栄養物質などの化学的環境条件)を制御して人工的に増殖、生活、発育させること。



バクテリア (ばくてりあ)

(bacteria)

細菌のこと。



曝気 (ばっき)

(aeration)

空気と液体を接触させて液体に酸素を供給すること。活性汚泥法では曝気槽の中で下部からブロアーで空気を送ったり、表面を撹拌したりして曝気を行います。

→エアレーションも参照してください。

エアレーション汚泥活性汚泥活性汚泥法曝気槽



曝気槽 (ばっきそう)

(aeration tank)

活性汚泥混合液などが曝気される槽。活性汚泥法においては、曝気槽が浄化の中心的な役割を果たしています。

汚泥活性汚泥活性汚泥法曝気



曝気槽混合液 (ばっきそうこんごうえき)

(aeration tank mixed liquor)

曝気槽内でエアレーション撹拌を受けている活性汚泥液と流入汚水の混合液。

これを観察する場合は、連続式活性汚泥法ならば、曝気槽の最後の部分(沈殿槽に行く直前)から採取します。回分式活性汚泥法ならば、曝気終了の1、2時間前の時間帯に採取します。

エアレーション汚泥回分式活性汚泥法活性汚泥活性汚泥法沈殿槽曝気曝気槽連続式活性汚泥法



二次処理水(曝気沈殿処理水) にじしょりすい(ばっきちんでんしょりすい)

曝気槽から得られた処理水。連続式活性汚泥法ならば沈殿槽から出てきた処理水。回分式活性汚泥法ならば曝気停止して上澄みを次の槽に移送するときに出てきた処理水。曝気槽の状態が悪いと、これに汚泥が混入したり、濁ったり、着色が濃くなったりします。

二次処理水(曝気沈殿処理水)を貯留しないような回分式活性汚泥法の施設の場合は、二次処理水(曝気沈殿処理水)が流れ出るところに小さな容器などを下げておくと、採取が容易になります。

汚泥回分式活性汚泥法活性汚泥活性汚泥法沈殿槽曝気曝気槽連続式活性汚泥法



曝気槽水 (ばっきそうすい)

→曝気槽混合液を参照してください。

曝気曝気槽曝気槽混合液



曝気不足 (ばっきぶそく)

曝気の量を減らしたり、曝気の時間を短くすることで生じるのはもちろんですが、ブロワーの目詰まりによって引き起こされることもあります。曝気が不足すると、微生物が呼吸できないために、有機物の分解が遅くなります。

曝気有機物



PAC (ぱっく)

原水に含まれる泥などの濁りの成分を取り除くため凝集剤の1つで、ポリ塩化アルミニウムが主成分です。

凝集剤ポリ塩化アルミニウム



発酵 (はっこう)

(fermentation)

狭義では微生物による糖質の嫌気的分解のことをいうが、一般的には微生物が有機物を分解し、サイレージ発酵、乳酸発酵、メタン発酵、堆肥の発酵のように人間にとって有用な物質を作り出すことをいう。家畜ふんの処理においては、メタン発酵と堆肥の発酵が用いられる。メタン発酵は嫌気的発酵であるが、堆肥の発酵は好気的発酵であり、水分調整や切り返し、強制通気など好気的条件を与えるような管理が必要である。

水分有機物



バルキング (ばるきんぐ)

(活性汚泥の膨化、bulking)

活性汚泥が沈殿せず、上澄みがとれない状態。活性汚泥法において、この現象が発生すると、処理水に活性汚泥が混入するため、清浄な処理水が得られなくなります。バルキングの原因は、単なる汚泥の堆積によるもの、糸状性細菌によるもの、炭水化物の多量流入、硫化水素の増加、不溶性無機物の欠乏、ばっ気不良など多種多様です。畜産汚水処理におけるバルキングの原因は、高濃度汚水の投入、腐敗汚水の投入、投入BOD量の過負荷、曝気槽の溶存酸素不足、殺菌力を持った消毒薬の混入などが原因となっています。

汚泥活性汚泥活性汚泥法糸状性細菌曝気曝気槽BOD負荷溶存酸素硫化水素



BOD・SS負荷 (びーおーでぃ・えすえすふか)

(BOD汚泥負荷、BOD-SS loading、BOD sludge loading)

曝気槽内の単位MLSS当たり、1日に流入するBOD量で、BODkg/(MLSS)kg・日で表わします。活性汚泥の微生物量に対するBOD量を表すもので、曝気槽の設計および運転管理の指標に用いられます。

BODを処理するのは、厳密にいえば、曝気槽ではなく曝気槽内の微生物であるから、微生物量の指標であるMLSS 1 kgに負荷する(処理する)BOD量を設定することが正確であるとの考え方です。

BOD容積負荷量を0.6 kg/m3・日とし、曝気槽のMLSS濃度を5,000 ppm (= mg/L = g/m3 = 5 kg/m3) に設定した場合、BOD・SS負荷は

  0.6 kg ÷ 5 kg/m3 = 0.12 kg/kg・日

と算出されます。

SSMLSS汚泥活性汚泥曝気曝気槽BODBOD容積負荷ppm負荷容積



BOD (びーおーでぃー)

(生物化学的酸素要求量、生物化学的酸素消費量、biochemical oxygen demand)

水の有機物による汚濁の指標の一つ。20℃において、水中の有機性汚濁物質が生物化学的に酸化されるとき、5日間で消費される酸素量をmg/lで表します。

水の汚染度を示す有力な尺度であり、河川や汚水中の微生物で分解可能な有機物の量を示す指標です。BODの高い汚水は、生物的に分解されやすい有機物を多く含んでいることを示し、高いほどその汚水は汚濁しているといえます。汚水の処理は、このBODを低下させ、河川の汚濁を防ぐことを主な目的としています。

酸化有機物



BOD-SS負荷 (びーおーでぃーえすえすふか)

→BOD・SS負荷を参照してください。

SSBOD・SS負荷BOD負荷



BOD汚泥転換率 (びーおーでぃーおでいてんかんりつ)

(BOD sludge divertment rate、gross yield coefficient of sludge)

一定期間内に曝気槽内で増加したMLSS量が、曝気槽で除去されたBOD量の何%に相当するかを示した数値。増加したMLSS(余剰汚泥)は引き抜き処分が必要である。増加MLSSは除去BODならびに除去SSが転換したものであるから、SS汚泥転換率とともに余剰汚泥量算出の基礎となる数値である。一般に除去BODやSSの30-100%(BOD負荷量に強く影響される)が余剰汚泥に転換するものとして引き抜き処分汚泥量を計算する。

SSMLSS汚泥曝気曝気槽BODBOD負荷負荷余剰汚泥



BOD汚泥負荷 (びーおーでぃーおでいふか)

→BOD・SS負荷を参照してください。

SSBOD・SS負荷BOD負荷



BOD負荷 (びーおーでぃーふか)

(BOD loading)

処理対象とするBODの総量をいう。活性汚泥法による畜産汚水処理ではBOD容積負荷(1m3の曝気槽が、1日に負荷されるBODの量)やBOD・SS 負荷(1kgのMLSSが1日に負荷されるBODの量)として使われる。

→負荷を参照してください。

SSMLSS汚泥活性汚泥活性汚泥法曝気曝気槽BODBOD容積負荷負荷容積



BOD容積負荷 (びーおーでぃーようせきふか)

(BOD volumetric loading、BOD volume loading)

曝気槽内の単位容積当たり、1日に流入するBOD量。単位はBOD-kg/m3・日。曝気槽の設計などの算出に用いられる重要な数値です。

例えば、曝気槽においてBOD濃度2,000ppmの汚水を1日に10m3処理する場合は、処理対象BOD量が

  10 m3×2,000 ppm÷1,000=20 kg/日

となり、曝気槽のBOD容積負荷を

  0.5 kg/m3・日

と設定すると、必要曝気槽容積は

  20 kg÷0.5 kg=40 m3

と算出されます。つまり、BOD容積負荷を大きく設定すれば必要曝気槽容積は小さくなり、小さく設定すれば大容積の曝気槽が必要となります。曝気槽は汚水処理施設の心臓部ですから、その容積を左右するBOD容積負荷の設定は設計計算の中で最も重要な設定数値です。標準的な活性汚泥法のBOD容積負荷は、0.6 kg/m3・日とされてますが、実際の処理施設設計では標準負荷量±0.4 kg程度の幅で設定されることが多いです。

標準法より高い負荷量の設定には活性汚泥微生物の働かせ方に各種の工夫が必要であり、高率活性汚泥法などと呼ばれています。他方、長時間曝気法など標準より低い負荷量を設定した処理法は能力が低いことを意味するのではなく、負荷の変動や水温の変化に対応する安全性を考慮したり、余剰汚泥発生量の制御を狙っています。

なお、回分式活性汚泥法の場合、曝気時間も考慮に入れて算出します。具体的には下記の式を用います。

  BOD容積負荷=

  1日に流入するBOD量(kg)÷曝気槽容量(m3)×24÷曝気時間(hr)

汚泥回分式活性汚泥法活性汚泥活性汚泥法曝気曝気槽BODppm負荷容積余剰汚泥



ppm (ぴーぴーえむ)

(parts per million)

百万分率。ある物質の量が全体の百万分のいくつ存在するのかを表す単位。水質関係ではppmをmg/Lまたはg/m3で表し、10,000 ppmが1%になる。大気関係では1 ml/m3が1 ppmになり、容積の割合なのでppmvと表記することが多いです。ppmのさらに千分の1をppb(parts per billion)と呼びます。

容積



比重 (ひじゅう)

(specific gravity)

ある物質の重さと同体積の水の重さ(4℃)との比。したがって水の比重は1である。固体の場合、物体の空隙部分を除いた実質のみの比重を真比重という。これに対し、多孔性物体などで空隙部分も物体の構成要素とした場合の比重を見掛け比重、また、容器に粉体や粒体などを詰めたとき、個々の粉体や粒子の間に存在する空間を含めた比重をかさ比重という。

体積



微生物相 (びせいぶつそう)

(微生物叢、microbial phase、microbial flora)

活性汚泥には種々の微生物が生育しているが、それら微生物の種類を分類、把握することによって浄化機能や施設管理の良否を推定することができる。微生物の種類や状態を示した分類一覧表をその活性汚泥の微生物相という。

汚泥活性汚泥



VFA (ぶいえふえー)

(揮発性脂肪酸、短鎖脂肪酸、volatile fatty acid、短鎖脂肪酸、SCFA、short chain fatty acid、低級脂肪酸)

炭素数10以下の揮発性のある脂肪酸です。

悪臭物質のノルマル酪酸、プロピオン酸、ノルマル吉草酸、イソ吉草酸などが属しています。これらのうちプロピオン酸とノルマル酪酸は、ふんの悪臭の主要な原因となっています。

悪臭物質イソ吉草酸吉草酸ノルマル吉草酸ノルマル酪酸プロピオン酸酪酸



富栄養化 (ふえいようか)

(eutrophication)

水中の窒素やリン濃度が増加し、それにともないプランクトンや藻などの生産量が増加すること。赤潮やアオコなどの被害を引き起こす原因の一つです。



負荷 (ふか)

(loading)

処理施設または処理装置に送り込む被処理物の量。それを水量で示した場合は水量負荷、有機物で示した場合は有機物負荷、BODの総量で示した場合はBOD負荷という。

BODBOD負荷有機物



負荷が高い (ふかがたかい)

負荷は流れ込む汚水の量に対する汚泥微生物の活性(有機物の分解能力)によって相対的に決まります。例えば、汚水の量が一定であっても、微生物の量(一般に汚泥の量:MLSS)が少なくなれば高負荷になるし、曝気量が低下しても微生物の活性が低下するために高負荷になります。また、温度が低下しても微生物活性が低下するので高負荷となります。したがって、高負荷になった場合は、汚泥量や曝気量(強さや時間)を増やすなど、何らかの手段を講じなくてはなりません。

SSMLSS汚泥曝気負荷有機物



複合ラグーン (ふくごうらぐーん)

(低負荷・回分式・活性汚泥法、半回分式活性汚泥法)

基本的には回分式活性汚泥法であるが、BOD容積負荷を低く設定し、曝気中でもDOが0になるような曝気を行う方法。高濃度の汚水でも希釈せずに投入できるなどの利点がある。伊藤忠林業株式会社が商品化している。

汚泥回分式活性汚泥法活性汚泥活性汚泥法DO曝気BODBOD容積負荷負荷容積



腐熟 (ふじゅく)

(maturation)

有機資材を堆肥化し、それを土壌に施用しても土壌や作物に悪影響を及ぼさず、地力の増進に役立つまで、腐朽・熟成させること。その到達目標に達したときが腐熟の終了時(完熟)であり、目標に達するまでの様々な程度を腐熟度と呼びます。

腐熟度



腐熟度 (ふじゅくど)

(degree of maturity)

腐熟のすすみ具合。

腐熟



浮遊物質濃度 (ふゆうぶっしつのうど)

→SSを参照してください。

SS



篩 (ふるい)

(screen、sieve)

枠などに目の大きさが一定の網を張ったもの。網目の目開きの大きさ(mm)か、1インチ当たりの目の数(メッシュ)などで、細かさを表す。ふん尿の固液分離などに多用される。



フロック (ふろっく)

(flock)

凝集体。液体の中に固体粒子が分散している状態を懸濁液というが、この状態の固体粒子が凝集剤によって集められ、より大きい集合を形成する。これをフロックという。撹拌により懸濁している活性汚泥が静置状態におかれると活性汚泥自身の凝集力によりフロックを形成し、沈降する。

汚泥活性汚泥凝集剤



プロピオン酸 (ぷろぴおんさん)

(propionic acid)

低級脂肪酸の悪臭規制物質の一つで、化学式はCH3CH2COOHと書きます。すっぱいような刺激臭がする。

低級脂肪酸



pH (ぺーはー)

水が酸性かアルカリ性かを示す指標。pHは0〜14の間の値を取り、pH7が中性で、7以上がアルカリ性、7以下が酸性です。



返送汚泥 (へんそうおでい)

(return sludge)

連続式活性汚泥法において、曝気槽内のMLSS濃度を一定水準に維持するために、沈殿槽から引き抜いて曝気槽に返送し循環利用する活性汚泥のこと。

SSMLSS汚泥活性汚泥活性汚泥法沈殿槽曝気曝気槽連続式活性汚泥法



返送汚泥管 (へんそうおでいかん)

返送汚泥が沈殿槽から曝気槽に汚泥を戻す管。

汚泥沈殿槽曝気曝気槽返送汚泥



放線菌 (ほうせんきん)

(Actinomycetes)

放射状に繁殖することから名付けられ、糸状を示すことの多い微生物。伸長し、分枝した形状は「かび」に似ている。一方、菌糸の幅は1μm内外で細菌にも似ている。ストレプトマイシンなどの抗生物質を作ることで知られている。

μm



ポリ塩化アルミニウム (ぽりえんかあるみにうむ)

→PACを参照してください。

PAC


「ま」行

μm (まいくろめーたー)

長さの単位の一つ。1μmは千分の1mm。細菌や原生動物は非常に小さいので、大きさを表すときは、主にこの単位を使用します。

原生動物



膜処理 (まくしょり)

(membrane filtration、membrane separation)

物質により透過性が異なる膜を用いて、溶液や混合気体の成分を分離することを膜分離といい、この原理を汚水処理に応用した方法を膜処理といっている。酢酸セルローズ膜を用いた透析(dialysis)古くから知られていたが、現在では、高分子化学の進歩により多様な口径の濾過膜が作られるようになり、人工透析、海水の淡水化、製塩、精製水、飲料水など多方面で利用されるようになっている。

処理対象とする物質の領域により、次の4種に区分される。

1) 一般濾過:浮遊物質領域(1μm以上)

2) 精密濾過(microfiltration or precision filtration(MF)):懸濁物質領域(0.1-150μm)

3) 限外濾過(ultrafiltration(UF):コロイド領域(2nm-5μm)

4) 逆浸透(reverse osmosis(RO)):イオン・低分子領域(0.3-5nm)

これらのうち、現在、畜産の分野で応用が試みられているのは、清澄な処理水が排出され曝気槽における活性汚泥濃度が維持できるとされている精密濾過である。

汚泥活性汚泥逆浸透精密濾過曝気曝気槽μm



密度 (みつど)

(density)

物質の単位容積当りの重量。例えば、水の密度は1g/mlである。特に固形状物質で、空隙のない状態での単位容積当りの重量を真密度という。多孔質体、繊維質、粉体などの密度は、その物質本来の真密度と、空孔を含めた見掛け密度、さらに充填空間を含めたかさ密度の3種類に区分けして考える必要がある。

かさ密度容積



メスシリンダー (めすしりんだー)

溶液の体積を測る道具。測定した値はL(リットル)、ml(ミリリットル)で表します。ガラス製とプラスチック製があますが、SV30の測定などには価格、耐久性の面からプラスチック製をおすすめします。

SV体積



メチルメルカプタン (めちるめるかぷたん)

(methyl mercaptan、methanethiol)

硫黄化合物の悪臭規制物質の一つで、化学式はCH3SHと書きます。腐った玉ねぎのようなにおいがします。


「や」行

UF膜 (ゆーえふまく)

(ultrafiltration membrane)

限外濾過膜。→膜処理を参照してください。

限外濾過膜膜処理



有害物質 (ゆうがいぶっしつ)

(hazardous substance、toxic substance)

水質汚濁防止法においては、カドミウム、シアン、有機リン、鉛、六価クロム、ヒ素、水銀及びアルキル水銀、PCBが有害物質として規定されている。廃棄物の処理及び清掃除に関する法律においてもほぼ同様に規定されている。大気汚染防止法においては、カドミウム及びその化合物、塩素及び塩化水素、フッ素、フッ化水素及びフッ化珪素、鉛及びその化合物、窒素酸化物が有害物質として規定されている。

酸化



有機凝集剤 (ゆうきぎょうしゅうざい)

(organic coagulant)

でんぷん、ゼラチン、アルギン酸ソーダ、水溶性アニリン樹脂塩酸塩、ポリエチレンイミン等の有機質の凝集剤。

凝集剤



有機物 (ゆうきぶつ)

(organic matter)

炭素を主体とし、水素、酸素および窒素、リン、イオウなどを含む様々な化合物の総称。対するものは無機物。家畜ふん尿は有機物と無機物と水分からできている。家畜ふん尿中の主要な汚濁物質であるBOD、COD、SSの大部分は有機物である。強熱減量、灼熱減量と呼ぶこともある。

→灰分を参照してください。

SS灰分強熱減量COD水分BOD



容積 (ようせき)

入れ物の容量のことで、体積と同じ単位を使って表します。

体積



容積重 (ようせきじゅう)

(volume-weight、bulk density)

粉体や粒体の物質の一定容積当りの重量。普通はかさ密度に同じで、現場でよく用いられる用語。

かさ密度密度容積



溶存酸素 (ようぞんさんそ)

→DOを参照してください。

DO



余剰汚泥 (よじょうおでい)

(excess sludge)

活性汚泥法において、発生した余分な汚泥。活性汚泥は微生物の増殖や分解されないSSの蓄積によって、増加していきます。曝気槽内に過剰な汚泥があると、酸素不足や沈殿槽での分離悪化の原因になるため余剰汚泥として引き抜き処分しなければなりません。

余剰汚泥の処理は各種の脱水機を使用することが多いですが、凝集剤費用、電力費、運転管理労力等が畜産経営には負担できないほど多い場合があります。脱水機の導入は十分に注意して運転の可能性を検討する必要があります。

SS汚泥活性汚泥活性汚泥法凝集剤沈殿槽曝気曝気槽


「ら」行

酪酸 (らくさん)

→ノルマル酪酸を参照してください。

ノルマル酪酸



硫化水素 (りゅうかすいそ)

(hydrogen sulfide)

H2S

悪臭防止法により指定された悪臭物質の1つ。硫黄化合物の1種で、腐った卵のようなにおいのする物質。

悪臭物質



硫化メチル (りゅうかめちる)

(dimethyl sulfide)

硫黄化合物の悪臭規制物質の一つで、化学式はCH3SCH3と書きます。腐ったキャベツのようなにおいがします。



連続式活性汚泥法 (れんぞくしきかっせいおでいほう)

汚水が常時流入し、処理水が押し出し流れ式に出る方式の活性汚泥処理法。回分式活性汚泥法に比べ、汚濁物質が低い汚水に適している。

汚泥回分式活性汚泥法活性汚泥活性汚泥法


「わ」行